小宮 義則

小宮 義則

シニアエグゼクティブアドバイザー

東京大学経済学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省し、33年の官僚経験を経て特許庁長官を最後に退官。その後、(株)IHIのCDOなどを経て、現在に至る。DX、宇宙開発、安全保障、産業金融、知的財産など、他分野にわたる経験と人脈を有する。

Message
高度成長期に成功した日本型ムラ社会モデルは、今や、日本の産業の改革の足かせとなっています。改革すなわちトランスフォーメーションのためには、現場レベルも含めて、視点を衛星軌道まで上げて、世界で勝負することを意識しては如何でしょうか?その上で、トップと現場が一体になった企業文化改革を行い、個人レベルまで業務プロセスの分解を行ったうえで、データに基づく、リソースの再構成が必要なのだと思います。
トランスフォーメーション=変態=改革のプロセスは、「芋虫」が「蛹」を経て「蝶」になることになぞらえることができます。因みに、「芋虫」は胸脚3対、腹脚4対、尾脚1対の合計、8対の脚があるのですが、このうち、胸脚3対が「蝶」の3対の脚に化け、後の脚は「蛹」の間に吸収されて無くなってしまいます。また、「蝶」の羽は昆虫が水生生物だった時代の「エラ」が進化したとの説もあります。実際、「蛹」を切断すると中はドロドロになっているそうで、「蛹」の間に一旦細胞レベルまで分解されたものが再構成されて「蝶」になるのが、この変態のプロセスなのです。ここから得られる企業のトランスフォーメーション=変革に関する知恵は、①現存する何かを残して、別のものに大きく発展させる、②一方でほかの部分は個人レベルまで分解した上で再構成する、ということだと思います。このようなトランスフォーメーションが多くの企業で起こるよう、中に入って後押し(遺伝子改変?)をしていくところに、グロービングの価値があると私は信じます。
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