生命に学ぶ
メカニズムではない、38億年の生命が磨いた、動的平衡の7原則。
なぜ、38億年ものあいだ、生命は一度も途絶えなかったのか。
机の上をいくら整理しても、いつのまにか散らかっている。秩序あるものはすべて、時間とともに無秩序へ向かう——エントロピー増大の法則という宇宙の大原則です。
生命にもその大原則にさらされています。しかし、生命は絶えず自らを壊しながら創り直すことで、エントロピー増大の流れに抗い続けています。そのエントロピー増大に抗い続ける仕組みこそが、動的平衡なのです。
そこには経営が学ぶべき原理が、驚くほど具体的に詰まっている。
福岡 伸一
Shinichi Fukuoka
生物学者・作家 / 青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授
1959年東京生まれ。京都大学卒および同大学院博士課程修了。ハーバード大学研修員、京都大学助教授などを経て、現在、青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。
サントリー学芸賞を受賞し、87万部のロングセラーとなった『生物と無生物のあいだ』、『動的平衡』シリーズなど、“生命とは何か”を動的平衡論から問い直した著作を数多く発表。
代表著作「動的平衡」シリーズ(木楽舎)
Seven Principles
動的平衡の考えを経営に活かしていくための、7つの基本原則。
❶合成arrow_forward分解
敢えてやわやわな構造を為し、作るよりも優先的に、率先して自らを壊し、絶えず作り変えることでエントロピーの増大に抗う。
❷エネルギー思考arrow_forwardエントロピー思考
エネルギーを注ぐことに注力するだけではなく、それ以上に積極的にエントロピーをいかに排出するかを考えることで、生命活動を維持する。
❸ストックarrow_forwardフロー
余剰となった物質を積極的に他者へ譲り合うことで、フローを作り出して共存共生を果たす。その結果としてネットワークである生態系を織りなす。
❹加算性arrow_forward創発性
細胞どうしが集まり、“あいだ”と“時間”を分有することで、単なる細胞の塊(=加算)ではない特異な形態や運動が生じる(=創発)。
❺他律性arrow_forward自律性
脳の指令のみに従うのではなく、細胞や各器官が自律的に働くことで、その場で問題(けがや病気)などに対処する。
❻独自性arrow_forward相補性・補完性
敢えて専門機能を持たない“ステムセル”が一定存在することで、ステムセルが周囲との相互作用の中で役割を相補的に認識し、変化や欠損などに柔軟・迅速に補完する。
❼利己性arrow_forward利他性
細胞や個体が利他的にふるまうことにより、相互補完的な共生関係が構築されていき、その共生関係が環境への適応、ひいては生物の進化につながってきた。