クライアントである大手電力会社の経理部門は、年度予算・中期計画の策定から月次予実管理までを管掌する経営管理の要衝である。コアメンバーの急な退職により欠員が発生し、かつ新ERPシステム稼働直後で業務標準が未確立の状態であったため、実務を乗り越えることが困難な状況に陥っていた。
加えて、経営層からはFP&A、特に中長期業績の見える化とシミュレーションへのニーズが高まっており、精度と効率のバランスを考慮した業務設計が必要であった。
すなわち、「実務を担う即戦力の確保」「業務の標準化・整流化」「FP&Aの実現」という三つの急務を同時に解決することが求められた。
CASE STUDY

CASE STUDY:GS-08
経理室実務〜FP&A高度化の伴走支援
クライアント:大手電力会社
経理の人員欠員という緊急課題への実務支援を起点に、ERPシステムをベースにした業務標準化、AI活用の効率化改善、及び中長期業績見通し・シミュレーションの仕組検討をテーマとした、伴走型の変革プロジェクト。
課題
アプローチ
グロービングは「口だけのコンサル」に陥らないよう、実務支援と抜本対策を同時並行で設計するアプローチを採用し、支援を三つのステップで展開した。
ステップ1(徹底的な現場支援・業務整流化):即戦力不足と業務標準未確立という足元の状況を踏まえ、グロービングは徹底的に現場に入り込み、実務を担いながら課題抽出・業務標準設計を実施。さらに業務効率化に向けた初期仮説設定を並行して行った。
ステップ2(AI活用・FP&A検討着手):現場支援から得た知見を活かし、経理業務におけるAI活用の対象特定および自社環境でのPoC(概念検証)を実施した。実務を知り尽くしたからこそ、実用性・現実性の高いAI活用の検証ができ、現場層からも評価された。また、経営層が求めるFP&Aへのシフトに対し、目指すべき姿の具体化と、Excelを用いた初期試行を行った。
ステップ3(AI本格活用・FP&A高度化):PoCの結果を踏まえ、業務へのAI活用を実装し、改善効果の実現と横展開を図る。並行してFP&A実現に向けた各現場への巻き込み設計や対話も支援した。
成果(提供価値)
- 欠員・ERP初期稼働による実務ピンチの乗り越え:新ERP稼働後のシステム障害が多発する中でも、システムベンダーや社内関係者と調整しながら、中期計画・年度予算・月次モニタリングの実務がスケジュールの通りに実行できるよう支援した。
- 業務標準の確立とAI活用による効率化:グロービング支援業務において約20%の工数削減を実現し、経理部門内への横展開も今後期待される。
- FP&A実現への道筋:AI時代を見据えたData Oriented型の経営管理体制(中間層レス)の将来像を意識しながら、実現に向けたステップ設計を支援した。
※ 掲載している事例は、守秘義務に基づきクライアント名・固有名詞を伏せ、案件を特定し得る情報を一部抽象化したものです。成果は当時のものであり、同様の成果を保証するものではありません。
関連事例
CASE STUDY:GS-10
分散データを統合し、事業収益を意思決定と行動につなぐ経営管理改革
日本の強みである自動車産業が競争環境の変化を勝ち抜くため、合従連衡や事業再編を見据えたKGIを明確にし、CEOを中心とした経営陣の意思決定と現場の改善行動につながる経営管理基盤を構築した。
CASE STUDY:GS-07
基幹システム刷新と合わせた経営分析基盤の企画構想~構築
経営の解像度と意思決定スピードの向上、サプライチェーン管理の最適化を目指し、基幹システムの刷新と合わせて経営分析基盤の企画構想から構築まで一気通貫で伴走支援を実施。
CASE STUDY:GS-09
全社構造改革の推進と基幹システムの再構築プロジェクト
ROIC経営による全社改革の推進と保守期限を迎えた自社開発スクラッチシステムの再構築の在り方を検討するプロジェクトです。