クライアントである大手製薬メーカーにとって、デジタルトランスフォーメーション(DX)は経営の最重要テーマの一つでした。これまでも個別機能ごとのデジタル化は一定程度進めてきたものの、働き方やオペレーションそのものの変革には至っていませんでした。
製薬事業は、研究開発から生産、サプライチェーン、コマーシャル、メディカルまでバリューチェーンが長く、かつグローバルに分散しています。それゆえ、機能や地域をまたいだ全社横断での変革推進力の弱さが、DXを次の段階へ進めるうえで最大の壁となっていました。
求められたのは、骨太な変革テーマを描く構想力と、それを組織として着実にやり切る実行力の両輪でした。いずれも高度な専門性を要し、しかも構想と実行の間には断絶が生じがちです。両者を分断させず一体で動かせるかどうかが、変革の成否を分ける鍵でした。
CASE STUDY

CASE STUDY:TLS-03
グローバルDX:戦略策定から実行までの一体伴走〜役員・参謀として経営に入り込み、内側から変革を動かす〜
クライアント:大手製薬メーカー(グローバルに事業を展開する医療用医薬品企業)
大手製薬メーカーのグローバルDXを、戦略策定から実行まで一気通貫で支援しました。製薬バリューチェーンへの深い理解のもと、当社メンバーが役員・参謀として経営に入り込み、内側から全社横断の変革を動かすとともに、当社の伴走後もクライアント自身が変革を回し続ける、自律的な推進体制を確立しました。
課題
アプローチ
当社は、変革テーマを描く段階から、それを動かす実行の段階までを一体で担いました。
テーマ設定では、役員を交えた複数回の合宿を通じて内部・外部環境や経営戦略をインプットしながら、研究開発から生産、サプライチェーン、コマーシャル、メディカルまで、バリューチェーンの全域にわたる変革テーマを描きました。いずれもクロスファンクション・クロスリージョンで取り組み、患者さんや医師への価値提供を速めることを共通の軸としています。
描いたテーマを実行へつなげるために、外部からの支援に留まらず、当社メンバーが役員・参謀として経営に入り込み、外から助言するのではなく、自ら意思決定を担い、その結果に責任を負う立場に立ちました。加えて、変革を牽引する専門組織を立ち上げ、内側から推進力を生み出しています。
プロジェクトによっては当社が内部でPMを務め、課題に応じて外部のコンサルやベンダーの力も引き出しながら、最適な布陣を組み上げました。こうして内と外の両輪で、描いた変革を一つずつ現実に繋げていきました。
成果(提供価値)
サイロ化して個別最適にとどまっていたデジタル化は、機能や地域を横断する全社の取り組みへと姿を変え、変革を全社で進める素地が整いました。構想と実行の分断を、当社メンバーが経営の内側に立って解消したことで、描いたテーマが実際に動き出し、着実に成果を生み始めています。
変革を担う専門組織は、当社の関与後もクライアントの内部に根づいています。むしろその役割は広がり、担うプロジェクトの数も幅も拡大を続けています。各取り組みが定量・定性の両面で効果を創出し続けていることに加え、クライアント自身が事業変革を構想し、動かし続けられる、その自律的な推進力を組織の中に残せたことは大きな成果です。
※ 掲載している事例は、守秘義務に基づきクライアント名・固有名詞を伏せ、案件を特定し得る情報を一部抽象化したものです。成果は当時のものであり、同様の成果を保証するものではありません。
関連事例
CASE STUDY:GS-02
熟練工の知恵を継承する製造領域の全社AI変革
労働人口の減少と熟練工の引退により、製造現場の「匠の知恵」の喪失が経営リスクとなっていた大手自動車メーカーにおいて、全社AI戦略の策定と製造領域での匠のAIモデル・データ基盤構築を、構想から本番実装まで一気通貫で支援した。
CASE STUDY:TLS-10
自社保有技術・データアセットを活用した新規事業案の結晶化とアジア市場での「0→1」の実現
構造的限界に直面した大手通信キャリアの技術・データ資産を再定義し、アジア市場を主戦場とした内製サービス開発・販路開拓・マネタイゼーション構造の刷新で戦略基盤を構築した。
CASE STUDY:GS-04
日米欧3極を横断するグローバルE2E SCM変革
日米欧3極にまたがるグローバルSCM課題に対し、レジリエントサプライチェーン実現に向けた4テーマ別PJを定義。最上流の構想策定から実行・自走化まで、クライアントの中に深く入り込み一気通貫で伴走支援した。